"となかぞ”、最終回まで見終わりました。過去の記事は↓。
===主要登場人物===
- 五十嵐奈々&五十嵐大器(深田恭子さん&松山ケンイチさん):妊活中
- 川村亮司&杉崎ちひろ(平山浩之さん&高橋メアリージュンさん):事実婚、子供は持たない 亮司の子ども亮太も一緒に暮らすことに
- 小宮山深雪&小宮山真一郎(真飛聖さん&野間口徹さん):幸せを装う
- 広瀬渉&青木朔(眞島秀和さん&北村匠海さん):ゲイカップル
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最後までとっても丁寧に作られていたドラマだったと思います。そしてやっぱり何度も泣きながら見ていました。結果的には望む形とは違っていた家族もあったけれどもそれぞれみんなハッピーエンドでした。↓それを物語っていますよね♡
- 小宮山深雪&真一郎
9話で離婚へ…いうところでしたが、最終話で元に戻って一緒に頑張ってやり直すことに。次女の萌香ちゃんが事故にあいかけたことや、深雪の子どもへの愛が本物であったことに真一郎が気付いたことなどがきっかけでしたかね。
9話での萌香ちゃんがケガしそうだったところを朔ちゃんが救ったというのが、ドラマ上大きなターニングポイントになっていたと思います。優香ちゃんと萌香ちゃんがわたさくの二人を見て「朔ちゃんとわたるん、愛しあってるね♪」「そうだね♪」「多様性を認め合う世の中にしていかないとって学校で習った」みたいなことを言っていたのが印象的でした。やっぱり子供のころの教育って大切なんだなと。
深雪も偏見を持っていたことを渉と朔に謝ります。「無知で時代から取り残されていたのは私だけでした。私は自分と違うものを排除することで自分を守っていた。」こうやって考えを改められるって簡単なことではないですよね。
最終話では真一郎は仕事とボランティアを両立、深雪もケーキ屋さんで働いていました。最終回では深雪役の真飛聖さんの表情がものすごく柔らかくなっていたことにびっくりしました。
- 亮司&ちひろ+亮太
亮司は「事実婚契約書」「遺言公正証書」を作っていました。亮司に何かあってもいいように。最後には結婚式のシーンがありましたが、入籍という形はとっていないのかな。この書類を作ることで、亮司に何かあったとき、たとえ籍を入れていなくてもちひろと亮太は他人という扱いにはならずにちひろに託せるということなんでしょうね。
連れ子と継母(義母)ですよね、自分に経験があるわけではないですけど、難しい関係なのは容易に想像がつきます。亮太くんが女の子だったらもっと難しそうです。それに真正面から向かうちひろ、かっこいいです。
亮太くんが大人で大人で。これから役者さんとしてもどう成長していくか楽しみな子です。
↑ターニングポイントの事件後の 亮司「悪気なく誰かを傷つけてることあるだろうなって思いますしね」ちひろ「誰かが傷つくことを恐れて、言いたいこと全部引っ込めちゃうのも違う気がするしね」
ちひろらしいセリフですね。言いたいことを全部言いまくる橋田壽賀子的ドラマもありますが、みんながみんな言いたいことを言っていたら社会が成り立たなくなりますね。でも、言わなきゃいけないことは伝えないとね。言わないと伝わらないことたくさんありますよね。そんなことを考えちゃいました。僕はなかなか言いたいことを言える性格ではなくって我慢しちゃうので余計に。
- わたるん&朔ちゃん
わたるんのお母さんに会いに行って話をしようとする朔ちゃん。お母さんはまだ息子がゲイであることを受け入れられない。僕だったら同じことできないだろうな…と思いました。はっきりと拒否されるって、自分も傷つくだろうしね。でも、何とか家に入れてくれて話すことでちょっと歩み寄ることができた…と思ったら、朔と渉のお母さんが最終回ではめちゃめちゃ仲良しになってました。ほほえましかったです。お母さんの「早くに親が気付いていたら治せたかもしれないの?」っていうセリフ、ちょっと切なかったです。やっぱり自分に責任を感じてしまうのでしょうか、母親というものは。
↑でも書きましたが、9話で萌香ちゃんが踏切でケガしそうになったところを朔が助けます。朔ちゃん病院へ、渉が駆けつけて「家族なんです、戸籍上は違うけど一緒に住んでるんです、家族同然の恋人なんです」「お前がいなくなったらどうしようかと思った」「(抱きしめあっているのを)見られたっていい、そんなのもうどうだっていいから!」いやぁ、言われてみたいですね。
そして朔は高卒認定試験に合格。最終話ではパートナーシップ宣誓をしてくれないか、わたるんから朔ちゃんに持ち掛けられます。「わたるんから」というのがよかったですね。役所にお揃い?のジャケット姿で行っていて、さらには指輪までしていました。
↑ターニングポイントの事件後の 渉「(深雪に)自分が信じてきた価値観を覆すのは勇気がいります」朔「誰のことも傷つけずに、自分も傷つかずに生きるのって無理じゃないかな」
価値観が覆されるような経験ってしたことあったかな。価値観が「変わった」はあっても「覆った」っていうのはないかも。傷つくのも傷つけるのも怖いですよね。だから僕はなかなか本音を明かせません。それが好きな人に対してであっても。ついいい人を演じたくなっちゃうのかもしれないなとまた自問自答してました。
- 奈々&大器
結局奈々は流産してしまいます。見ているこちらもツラい場面でした。奈々は大器のためにも別れようと思い、しばらく実家に戻ることに。一生懸命奈々を説得しようとする大ちゃんの姿、愛情が伝わってくる感じでした。変顔の写真撮って送ったりしてるところが妙に切なかったです。あれ、撮った後、絶対「何やってんだろう」みたいな気持ちも押し寄せてくると思うんですよね。
そして高畑淳子さん扮する大器の母のセリフにまた泣いてしまいました。ほんと、すごい女優さんだと思います、高畑さん。確かに、ツラいことや悲しいことを共有できる人って限られてますよね。そして、お母さんからの説得の甲斐もあったのか、奈々は大器の元に戻ります。そこでのセリフが、大器「おかえり」奈々「ただいま」だったんです。僕はおっさんずラブを先に見ていたので、春田と牧のあのシーンを思い出しました。そんなことも加わったこともあり、もうボロボロ泣いてましたよ。本当に素敵なカップルだったと思います。大ちゃんみたいな素敵な人そうはいないなと、すっかり大ちゃんファンになりました。そして二人は子どものいない未来を探すことに。
↑ターニングポイントの事件後の 大器「(言いたいことを言って誰かを)傷つけたとしても、後で声に出して話し合えば、もしかしたら分かり合えるかもしれない」朔「―分かり合えないかもしれない」奈々「いつか分かり合える時が来るといいですよね」
すべての人と分かり合おうなんて無理な話ですけど、最初から否定することや理解しようともしない人にはならないようにしたいなとしみじみと思いました。
最初っから最後まで素敵なカップルでした、奈々ちゃんと大ちゃん。
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コーポラティブハウスに住む4家族がそれぞれ幸せの形を手に入れて終わったというところでしょうか。後半は毎回泣きながら見ていました。21世紀の「家族」の多様性を見事に描いていたと思います。僕は「家族」というものに複雑な思いがあり、正直苦手なところも多々ありますので、本当に毎話毎話考えさせられました。そして、ミスチルの主題歌がいいところで流れてきて、涙腺をさらに刺激してくれました。
個人的には、わたさくコンビはもちろんキュンとさせられるところも多々ありましたし、ゲイゆえに共感できることもありました。そして、それ以上に奈々ちゃんと大ちゃんカップルが素敵で惹きつけられました。みんなこの二人には素直になれるんですよね。大ちゃんみたいな人が近くにいてくれたらいいなぁ。
続編を望む声も多いようですね。スピンオフもできそうです。
・奈々と大器、実はもっと昔にすれ違っていた
・亮太と優香の小さな恋の始まり
・朔と渉の男遍歴
…とか適当に考えました(笑)。
here comes my love (2018) / Mr. Children