インドア派Around40ゲイの日記

アラフォーゲイが日々のことや過去のことを書きなぐるブログ

Prime Reading ってお得~本の紹介-9 二宮敦人「最後の医者は桜を見上げて君を想う」

Kindleを買いました~みたいな話を以前書いていますが(Kindle 買っちゃった)、同時に僕はアマゾンプライム会員です。サービスの一つに「Prime Reading」というのがあり、対象のKindleコンテンツ(本、雑誌、マンガ、Kindle Singles)を追加料金なしの読み放題で利用できるというものです。いろいろな本を無料で読めるので、暇つぶしだったり、ちょっと長めに電車乗るし…みたいなときに便利です。僕の好きな作家さんの一人の辻村深月さんの小説なんかもあったりして、ちょっとお得感があります。(Prime Reading 自体はKindleじゃなくてもプライム会員なら利用できます。)(どうでもいいですが、僕のKindleさん、おすすめ商品に「ボーイズラブのおすすめ商品」やらananやら出てくる…。)

 

その無料で読める中で見つけたのが今回ご紹介する本↓。まったく存じ上げない作家さんでしたが、何となくタイトル買い(と言っても無料だけど)をしました。

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

 

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生! 

全三章からなりますが、各章のメインの登場人物たちは皆難病にかかり最後には亡くなります。どのようにして死んでいくのか、そこに焦点を当てた小説です。難しい医療用語が飛び交うわけでもなくとても読みやすいですが、やはり死んでいく場面では涙が止まりませんでした、特に第二章。(元々涙腺はとんでもなく弱い人ではあるのですがね。)読みやすいのは確かですが、内容としては結構重く、考えさせられる内容だと思います。

近いうちに確実に死を迎える患者とどのように向き合うか、「何が何でも治すんだ、最後まで闘うのが医者としての務めだ!」というタイプの医者と「『あなたはもうすぐ死にます。』とはっきり伝え、「死」を受け入れ残りの日々を大切に生きる道もある」というタイプの医者、同期でありながら対立するこの二人の医者と、二人の間で揺れるもう一人の医者、この3人が軸となり話が展開されていきます。

本人の目線、家族をはじめとした周囲の目線、医者からの目線、立場が違えば考えも違って当たり前だから、余計に正解はないということを思い知らされます。自分が直面するまでなかなか考えられないことなのかもしれないですね。僕にとって死ってそんなに遠い話題ではないんですけど、でもいざ自分がこの各章の主人公たちの立場だったら…すぐに答えは出せないでしょう。

無料で読めるということから出会えた1冊だったと思います。