インドア派Around40ゲイの日記

アラフォーゲイが日々のことや過去のことを書きなぐるブログ

マイ・プライベート・アイダホを10数年以上ぶりに見た

台風が上陸したようですね。僕の住んでいるあたりもかなり強い風と雨になっています。被害が広がらないことを願います。

 

さて、今日は仕事が休みだったので、せっかくだから何か映画でも見ようかなと思って、ふと目に留まったのが「マイ・プライベート・アイダホ」でした。以前に見たことはあるのですが、ほとんど記憶になくゲイ要素があったなくらいなことしか覚えていませんでした。何せ、1991年の映画で僕が見たのもリアルタイムではありません。

 

マイ・プライベート・アイダホ [DVD]

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主演は、今は亡きリヴァー・フェニックスさんとキアヌ・リーブスさんのお二人。↑のジャケット写真からして美しすぎますね。僕が最初にこの映画を見たのって、キアヌ・リーブスのファンの女子に勧められたからだったような気がします。今思うと、この映画を勧めてくるって僕をゲイだと疑ってのことなのか、ただ純粋になのか…と勘ぐってしまいますね笑。

ストーリーはボ~ッっと見てると何だかわかんなくなると思います。僕も以前に見たことがなかったら、よくわからないまま見終わっていたと思います。それを思うと以前に見たときはただただ主演の二人を「かっこいいな~」って思って見てただけかもしれませんね。

ストリート・キッドのマイクは、男娼として街角に立ち、少年を好む中年男性を相手に体を売って日銭を稼ぐ日々を送っている。
ある時、マイクは記憶の中の母親に良く似た女性客を前に持病の睡眠発作を起こしてしまう。眠り続ける彼を助けたのは男娼仲間のスコットだった。
彼は市長の息子であり何不自由なく育ちながらも、見せかけだけの家庭に嫌気がさし、家を飛び出していた。
ある日、マイクは行方不明の母親を探す決心をし、スコットと共に、兄リチャードが暮らす故郷のアイダホへバイクで向かう。
マイクが旅の途中で告げたスコットへの想い、兄リチャードの衝撃的な告白。やがてマイクとスコットの道は二つに別れていく・・・。
愛と友情、それぞれのアイデンティティーを求めて旅したボートランド、アイダホ、ローマ、彼らが旅の果てに見たものは・・・。

男娼をするマイクとスコット、しかしその理由は全く異なる

25年以上前の映画ですので、ネタバレも気にせず書いてしまいますね。↑のあらすじのマイクがリヴァー・フェニックス、スコットがキアヌ・リーブスです。マイクは「ナルコレプシー(居眠り病)」という持病を持っていて、発作が起こるとばたっと倒れこんで眠ってしまいます。2人とも男娼をしているのですが、その理由には大きな違いがあります。マイクは親に捨てられて日々の生活のために男娼をしていましたが、スコットは裕福な市長の息子で、親への反抗心から男娼をしていたようです。スコットはボブというホームレスによって男娼の世界へ足を踏み入れたようです。このボブが終盤で亡くなるのですが、お葬式の場面が個人的には印象的でした。

 

母親さがしに出るマイクと、同行するスコット マイクは思いを告げるが…

二人はマイクを子供のころに捨てた母親を探す旅に出ます。途中で、野宿シーンがあります。焚き火を前にマイクはスコットに思いを寄せていることを告白します。ニュアンスとしては「もっと君に近づきたいんだ」というような感じでしょうか。ここのシーンは切なすぎて。スコットに「you're my best friend.」と言われ「男と寝るのはあくまでもお金のため」と言われると「金をもらわなくても愛せる、キスしたい、好きだ…」とボソボソと言っているのですが、何だか泣きそうになってしまいました。思いを受け入れはしないものの、マイクを抱き寄せるスコット。ここがこの映画のメインではないと思いますけど、僕にとってはメインでした。鈍感ノンケに告白しているみたいな感じですね。

そしてマイクの兄に会いにアイダホに到着しました。…というか、場所が移るシーンがたびたびあるのですが、低予算だったんだろうなぁという印象を受けます。ただ文字で「Idaho」と出てくるだけなんですよね。で、兄に衝撃の真実を告げます。マイクの父は兄であるということをマイクは知っていました。実母と兄の近親相姦の末の子ということですね。結構な衝撃的な内容でしたがサラっと流され、そしてこんどはローマに場面が移ります。

 

スコットに捨てられるマイク スコットはローマで恋に落ちる

母を探しに来たものの、母はすでにアメリカに帰ってしまっていて会うことはできませんでした。そして、スコットはカルミラという女の子と恋に落ちます。ここから切ないというか、「スコットちょっとひどいんじゃない?」って言いたくなるようなシーンが続きます。マイクの前で二人イチャイチャキスしたり、隣室からは二人のセックスの声や音が聞こえてきたり、カルミラはマイクがスコットのことを好きということを知らないとはいえ「これが恋なのね!」などとマイクにのたまったり…。そして、二人はマイクを置いて先に帰ってしまいます。マイクには「バイクを売った残りのお金だ」と手持ちのお金を渡して。そしてマイクもアメリカに戻ります。

 

再び男娼をするマイク あの日のスコットはもういない

アメリカに戻ったマイクは再び男娼の道に戻ります。一方スコットは…ビシッとスーツ姿できめて車から降りてきます。その姿をマイクも見ています。パーティーでしょうか。どうやらお父さんが亡くなり、その後を継ぐようです。「いずれは政界へ?」なんていう声もかけられています。結婚したのでしょうか、横にはカルミラの姿が。そこで、冒頭で登場したボブが乗り込んできます。「近づくな」と冷たく追い払い、そのショックでかボブは死んでしまいます。

スコットの父親の葬儀が行われています。そのすぐ近くでマイクたちは賑やかにボブを弔っています。スコットとマイクは一瞬視線を交わしますがそれだけでした。もうスコットは完全に別世界の人となっていました。二人はどんな思いでお互いを見つめたんでしょうね。

そしてラストシーン、アイダホのようです。発作を起こして倒れるマイク。いつも起こしてくれるスコットはいませんが、誰かが車に乗せて運んでくれます。それはスコットだったのか…??…で終わります。

 

感想

最初にも書きましたが、ストーリーがちょっとわかりにくいかなというところもあります。終盤はスコットが父を継ぐまでの過程の描写や、マイクがアメリカに戻ってからの描写がほとんどないため、突然にスーツ姿のスコットが出てくるような感じです。ただ、一番の見どころは若き日のリヴァー・フェニックスとキアヌ・リーブスのお二人なのかと思います。リヴァー・フェニックスさんは、ドラッグの過剰摂取で23歳という若さで亡くなったそうです。そんな姿がマイクと妙にシンクロしている気がしました。

「スコットひどくない?」みたいに書きましたけど、スコットの立場にしてみれば、人生の駒を先に進めただけなんですよね、きっと。それには、いつまでもボブたちと付き合っているわけにはいかない。仕方がなかったのかもしれないですが、生きるために男娼を続けざるを得ないマイクとの対比が、何とも言えませんでした。

ところで、この映画ラブシーンが何度か出てきますが、不思議なことにすべて静止画なんです。静止画とはいっても目が瞬きをしているシーンもありましたけどね。3Pのシーンもありました、やっぱり静止画で。この二人が横でただ寝てるだけでドキドキしちゃいますわ~。

ものすごくお勧めできるとは言えませんが、主演の二人を鑑賞するだけでもいいかもしれないです。

 一番切ない場面でした↓。

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