インドア派Around40ゲイの日記

アラフォーゲイが日々のことや過去のことを書きなぐるブログ

「生んでくれてありがとう」か「何で生んだの?」か…家族との関わりって複雑

「隣の家族は青く見える」について、↓いくつか記事を書きました。

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最終話だったかその前だったかの朔(北村匠海さん)のセリフにこんなのがありました。

「もし、お母さんに会えたら、これだけは伝えたいんです、僕を生んでくれてありがとうって。僕は今幸せに生きてるよって。」

朔は両親に捨てられたというバックグラウンドを持ちますが、そんな中で、母に会えたらありがとうって伝えたいというところが印象的でした。むしろ会ったことがないゆえにそう思えるのかもしれないですね。

かたや、ドラマやアニメなんかのセリフで親子喧嘩をしているようなシーンで「じゃあ、何で私を生んだの?私なんて生まれてこなきゃよかったんだ!!」なんてセリフを見たというか聞いたこともあるような気がします。なかなかきついことばですよね。

 

第7話ではこんなセリフのやり取りがありました。

奈々(深田恭子さん)「ただ、子供がいない未来は考えられなかったんだよね」

朔「幸せな子ども時代だったんだね、奈々ちゃんは」

ちひろ(高橋メアリージュンさん)「そうだね、うらやましい。みんながみんな子ども時代が幸せとは限らないからね」

 

本当に全くその通りで、家族や家庭での暮らしって人によって千差万別ですよね。千差万別ですけど、ゲイの家族関係ってさらに輪をかけて複雑な方が多いような気もします。そこまでいろんな人と知り合っているわけでもないですけれども、でもそういう印象があるんです。何気なくした会話で聞いてはいけないことを口にしてしまったかな?って思ったこともあります。すごく明るい人なのに、家族とは縁を切ったと聞いて驚いたこともあります。自分がゲイだという要素が加わると、両親との関係は特に複雑になりやすいんでしょうかね。父親とは特にそうなのでしょうか。

 

僕はというと…昔から父は苦手でした。「男なんだから○○」みたいなことをよく言われていたこともあります。兄や弟がいればよかったんでしょうが、あいにく男兄弟はおらず、今になって考えれば僕に期待してくれていたのかな?と思うこともあります。あまり口に出して言われたことはありませんが、「跡取り」のように考えていたのかもしれません。きっと、父の望んでいたような子供像とは全くかけ離れたところにいたし、今なおいることでしょう。そのことは「仕方がない」と開き直る自分がいますが、「申し訳ないな」と思う自分も僅かなら存在します。

母は父に比べれば話しやすかったですけど、その分過干渉が今なお続いています。話しているとイライラしてくることもあります。母からも「男の子なんだから○○」みたいなことはよく言われましたね。「心配して言ってるんでしょう!」みたいのが口癖です。書いててイライラしてきた(笑)。

さらに姉もいるのですが苦手です、正直。書き出すと文句ばかりが長くなるので今回は省略しますけど。いつしか、家族が集う場面って僕にとってはとっても緊張が生じる場面となっていました。会話があっても、当たり障りのないもので終わらせたくって、自分から話を振ったりしていました。夕食を一緒に食べるのもイヤというか苦手で、高校生のころなんかは塾があったから一緒に食べなくてよかったことにホッとして、社会人になって実家に戻っていた時期も、夕食の時間には基本的に帰っていないことが多かったです。今はたまに実家に帰ったときには一緒に食べてますし、なるべく平穏に過ごすよう心がけていますけどね。何でも言い合える仲良しの家族がちょっとうらやましかったりもします。

ないものねだりですが、兄がいてくれたらな…と思っていました。そうすれば、姉もいばり散らすことはないだろうし、跡継ぎ的役割を担ってくれたのにな…って。でも、「小さいころ兄から『お前はおかまか』っていじめられた。今でも仲悪い」って声を聞いたことがあって、兄がいたらいたで別の苦労があるんだろうなと感じる次第です。 

 

話は冒頭のセリフに戻るのですが、なかなか「生んでくれてありがとう」って言える言葉ではないですよね。どういうシチュエーションで言うのかな。仲良し家族だったとしても、面と向かってそんなこと言うんですかね?結婚式の感謝の言葉で言ったりするんでしょうか。僕はきっと一生そのように言うことはないでしょうけど、「何で生んだの?」とも、今となっては言わないと思います。小中学校時代は「じゃあ何で生んだの?」「何で男に生んだの?」みたいなことを言いたくなったことは数知れませんが、子供の僕でも理性を働かせたのか実際に言ったことはない…はずです。むしろ、今の方がわざと言ってやろうか?とか思ったことがありますけどね笑。

 

前職が他人の家庭のことに首を突っ込む場面があったこともあり、家族のことって個人的に関心ごとの一つではあるのですが、すごくプライベートな話題だし聞きづらいことでもありますよね。そんなこともあり、皆様のブログを拝見して、仲がいい姿を見てちょっとうらやましく思ったり、僕と同じようなことを経験した人もいるんだなぁと共感したり、僕の苦労なんて比べ物にならないねって思ったり…しています。さてさて僕に新しい家族は??

 

砂の果実 (1997) / 中谷美紀 with 坂本龍一

「生まれてこなければ 本当はよかったの…?」って考えたこともありました。大人になった今でもふと思うことありませんか?定期的に浸ることがある曲の一つです。


中谷美紀-砂の果実